『ゆらゆらゆれて』 7
どんどん暗くなって、
森は金色でもセピア色でもありません。
まるで魔女の服のような藍色に見えます。
「こんなに長い道だったかしら」
頭の帽子がユラユラするので、
ゆっくり歩いてきたせいかしら?
そう思いながらも少しだけ急いで歩きます。
風がひゅっと足元を過ぎます。
ほっぺたの横もひゅっと過ぎます。
手元をひゅっと過ぎたときでした。
「あっ!」
ランプの火が消えてしましたした。
辺りは真っ暗です。
ほんの少しだけ月明りが見えます。
「大丈夫、森の道はまっすぐだわ。」
大人の魔女と一緒の時ならチョチョッとつけてくれるのに、
と思いながらもランプをさっきよりもっとぎゅっと握って
歩き出しました。
「大丈夫、まっすぐよ、それに何も聞こえないわ。
誰もいないんだから、大丈夫。」
暫く歩くとずっと先の右側、
森の方に入ったあたりに明かりが見えます。
その明かりはさっきまでついていたランプよりも
ずっと明るい光です。
「誰かいるのかしら?」
でも道からはずいぶんそれています。
「あれだけ明るいんですもの、
きっと立派なランプだわ。
火を分けてもらいましょう。」
トルティアは明かりの方に向かいました。
まっすぐの道から森の方へ。
近づいていくと明かりが一つ出ないことがわかります。
一つはとても明るい光。
周りに小さな光が地面に。
トルティアは急に止まりました。
誰かいるのはわかっていました。
でも、違うのです。
「オヤ?コンナトコロニ。」
近づいてくるその誰かの頭が一番明るいランタンなのです。
トルティアはびっくりしたやら怖いやらで、
どうしたらいいのかわからなくなりました。
「コンバンハ、小サナ魔女サン。」
「こんばんは。」
目の前にいるのはジャックオーランタン。
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