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お話を書いています。 まだ整理整頓できてないですが、少しずつ更新していきますので宜しければお立ち寄りください。 日記や雑記も混じってます。
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2008-10-10 (Fri)

『ゆらゆらゆれて』 8

前にお話でだけ聞いた事があります。
カボチャのランタンが頭のおばけ。
昨日はおばけじゃないランタンを作る為に
かぼちゃを探したばかり。

「ランタンの火が消えちゃったの。
 火を分けてください。」

精一杯の勇気を振り絞って言いました。

「キエテルネ。
 魔法デツケレバイイジャナイカ?」
「魔法まだ使えないの。」
「フ~ン。
 オヤ?イイニオイガスル。
 クッキーノニオイガスル。」

ジャックオーランタンが近づいてきました。
トルティアは急いでクッキーの入った下げ袋を
外すとずいっと前に突き出しました。

「どうぞ!とってもおいしいのよ!あげる!」

そう言って渡すと、
後ろに少し下がりました。

「火ヲ分ケテアゲテモ良イケド、
 コノ火、何ノ火カ知ッテイルノカイ?」

ジャックオーランタンは続けて言いました。

「コノ火ハ昔、私ガ悪魔ニ貰ッタ火ナンダヨ。
 ムカーシ、私ガ天使カラ見放ハナサレテ、
 真ッ暗ナ夜ヲ歩イテイタ時ニ、
 悪魔ガ分ケテクレタ火ナンダヨ。
 ソレデモ良イイナラ分ケテアゲヨウ。」

こんなに明るい温かそうな明かりが悪魔に貰った火なんて、
トルティアはびっくりしました。
だけれど、それよりも天使じゃなくて悪魔が分けてくれたなんて。

ジャックオーランタンの明かりが揺れます。
トルティアは少し考えました。
そして持っていたランプを両手でジャックオーランタンの方に出して、
少しずつ近づきました。

「きっとやさしい悪魔もいるのよ。
 それにその火はもうあなたの火だわ。」

ジャックオーランタンはランプを受け取ると、
少ししゃがんで足元に落ちていた木の枝を拾うと、
大きな口の隙間から木の枝に火をとり、
ランプに灯しました。

「ソウ、コレハ私ノ火。
 ジャックオーランタンノ火。
 モウ消エナイカラ安心シテ帰ルトイイ。」

トルティアはランプを受け取ると、
お礼を言って小走りに道に戻りました。
 

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