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お話を書いています。 まだ整理整頓できてないですが、少しずつ更新していきますので宜しければお立ち寄りください。 日記や雑記も混じってます。
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2024-05-18 (Sat)
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2008-06-19 (Thu)

ここには”ぽい”人が沢山住んでいます。
むしろ、”ぽい”人ばかりです。

どんな”ぽい”人かと言いますと、着ぐるみ系でしょうか。

体全体が何がしかの動物の皮膚で被われていたり、
とんでもない所が動物だったり、
唐突にも動物の特徴なるものが出っ張っていたり。

一言では言い表せませんが、動物エキスで数時間煮込めば
獣臭くなると言う発想を具象しましたね?的とでも
言いましょうか。

そう言えば、町に入って直ぐの左に「お勧め屋」があります。
とりあえず、そちらにお立ち寄り下さい。


「いらっしゃいませ。おや・・・旅の方で。
 ささ、どのようなご用件で?」

この壁は藁ですか?いえ、藁風です。
藁は嫌いじゃないそうです。
装飾なら食べても壁は崩れませんからね。
きっとそのあたりでハズレてはいないと思いますよ。

「あ、そのイス大丈夫ですから。腰掛けて下さい、どうぞ」

歪んだ筋かい付きの丸椅子は、できれば遠慮したいですよね。

「さて、ご用件をどうぞ」

なんでも良いみたいですし、言っちゃってください。

「”イイ”子を探している」

「イイ子ですか…そうですね…うさぎはお好きですか?
 耳はあまり長くなく標準的ですが、毛並みは艶やかで柔らかく
 長くもなく短くもなく絡まりにくく手触りはこの上ないですよ。
 ええ、毎日手入れもしていますし気性も荒くなく、野菜は
 なんでも食べますしね。
 柱をかじる癖もなく小柄で隣に連れて…」

「4本足歩行系は遠慮する」

・・・・。

「はぁ…4本足歩行系はお好きではありませんか…」

さっきまでピンと立っていた耳が垂れ下がっていますよ。

「基本的には2本足歩行なんですが、お好みでないとあれば
 仕方ありませんね…」

キィィバタン

「こんにちは、先日注文のものをお届けに参りました」

「あ、お客さんチョット待っててくださいね。
 あぁそれこっちに持ってきてくれる?
 奥の部屋に。野菜だよね?
 そうそう、奥、奥、よろしくね。
 あ、すみませんでした、食料屋でしてね」

新鮮な野菜は隣を通っただけでも鼻がヒクヒク反応してしまうほど
美味しそうです。

「あぁぁぁ、すみません、そうそう今の子はいかがですか?」

「食料屋を勧めてどうする?」

「いえね、食料屋の三男坊で丁度狩に興味を持っていましてね」

「イイ子とは言ったが狩とは一言も言ってはいない、
 しかも男ではないか」

「男はお嫌いですか・・・」

「もういい、じゃ」

「あぁ、お客さん、一人でこの先狩りは危険ですから・・・」

キィィィ
バタンッ

「あぁぁ・・・危険なのに・・・」

「あの、御代をお願いします」

「ん、・・・・はい、ご苦労さん。
 あ、さっきの客ね旅でここに辿り着いたとみたいでね、
 あの背中の大きな弓、腰の剣、馬に乗ってきたわけでもないなら
 狩でもしながらじゃなきゃ旅も出来ないだろう、
 この辺町なんかあるようでないもんだしね、
 食うものも食えない。
 興味持った?走っていけば間に合うよ?」

「行って来る!」

カランッギィッバタンッカランカラン・・・・・

帽子を取り礼をすると慌てて出て行くその頭にも、
垂れた耳が隠れていたんですね。

*-*-*-*-*

「さて、イイ子ね・・・
 どんな顔して言ってるんだか。
 ・・・そう言えば見えなかったねぇ、顔。
 フードに頭ごとすっぽり覆われてちゃぁ
 前も見にくいだろうに。
 サイズってものがあるんだよ、サイズってものが。
 頭のてっぺんからつま先の先っちょまで
 隙間のすの字も見当たらないような格好で
 よく平気でいられるもんだ。
 毛並みがよれて蒸れてしまいそうだよ。
 この艶やかな毛並み、何が不満なのかね」
 

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