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お話を書いています。 まだ整理整頓できてないですが、少しずつ更新していきますので宜しければお立ち寄りください。 日記や雑記も混じってます。
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2024-05-18 (Sat)
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2008-06-29 (Sun)

庭の紫陽花はどれも赤みを帯びた紫だった。
いつからか、青い株を植えても挿し芽をしても、
何故だか同じ赤みを帯びた紫になるようになった。

「人の心は紫陽花のよう」


その時々や場所によって色が変わるという。
一説によれば土のアルカリ度によって変わるという。
本をみては手入れをする。

「色が変わるはずだ」

そう思っていた。
実際は変わらなかった。

「紫陽花は人の心のよう」

理屈じゃないのだろうか。
なにがどうだからそうなるのか、
そう考えながら紫陽花のご機嫌をとる努力をする。

山に咲いていた紫陽花は、
抜けるような青空に似て真っ青だった。
咲きかけは淡く水を差したようにも見えた。

「清楚な花だな」

そう思えるほどに。

恋人には紫陽花は贈ってはいけないと誰かが言った。
心の定まらない移り気をアピールしていると。

「何年もこの山に登っているが、
 毎年この潔いほどに青く抜ける空色だ。
 いつまでも変わる事は無い」

そう信じていた。

もう何年も登っていない。
あの紫陽花はまだ空を映しているのだろうか。

大きな花をつけたあの紫陽花を一輪。
茎を数箇所に挿し芽した。

始めは申し訳ないほどに小さく青く花をつけていた。
気が付いた頃には大きな株になり何輪もの花をつけていた。
赤みを帯びた紫の花を咲かせていた。

「いつの間に心変わりをしたのやら」

それは紫陽花に、そして自分に向けて呟く。

 

 

 

紫陽花は土地が合うと背丈3mほど幅3mほどの
まるで「木」のように育ちます。
種類にもよるのですが普通に見られるものなら
「花」の大きさは人の頭を越えるほどの大きさになる事もある。
雨の日の夜、なんど驚かされた事か・・・

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