成人指定するようなものはありませんが、童話や絵本のようなものではありません
カテゴリー「Gear」をお読みになる方は以下の事を
確認・了解し、理解していただいた方のみでお願いします。
・それぞれの思想理想や、それが存在する事に対しては理解が出来る。
・何事に対しても、個々人の是非で見ない。
ニュースを見ていた。
殺人やら自殺やら、最近やたら多い気がした。
物騒の一言で済まされるような気がしない。
それでも、誰もが自分には起こらないであろう、
あり得ないだろうと思いながら暮らしている。
誰かが言っていた。
身近に起こって初めて気づく。
係わって初めて感じる。
その時は既に普通ではなくなっている。
そして二度と普通を感じられない。
人は何かを経験して成長するというけれど、
それこそ林檎を食って恥らいと同じなんだと。
知るということがどれだけ恐ろしい事かなんて
普通では考えられないだろうし、
世間一般じゃ何にでも興味を持って、
プライバシーまでずかずか踏み入ることも
当たり前のように行われている。
それどころか、それをその欠片でも知ったなら、
知ったことを自慢するかのように触れ回る。
スピーカー人間が一家に1台、学校に仕事場に数台。
そんなもんだ。
それが普通なら、普通なんか・・・
自分が普通なのかも実際わからないけれど。
****************
うん、今日も普通。
平和平穏平々凡々バンザ~イ!
あぁ、なんて普通な朝なんだろう。
窓を開ければほら、今日は晴れだね。
やぁやぁ、すずめさんお早うお早う!
飯食ってバイト行こうか。
今年からスクーターを自転車に変えた。
維持費だけでもバカにならないしね。
バイト先でどこぞのクソガキに、
砂糖をタンクに入れられること数回、これもかなり痛いしね。
あれだ、エコブームと健康ブームに乗っかって、
自転車しました~とか言える昨今だしね。
チョット前ならかっこつけてるだの言われてたんだろうけどさ。
「ちっす、今日も元気っすね、俺もバス通やめよかなぁ」
バイト先の後輩、既にメタボ。
「いいよ~、自転車、お前もやれよ、お勧めお勧め」
絶対無理だね。
「おはよ~」
「あぁ、はよ」
元学友、今友人。
バイト誘ったらあっさり来たやつ。
今日の朝はこの3人かぁ。
バイトは極々普通に飲食店の裏方。
厨房のはずだったが、
数日前、表の女が孕んで辞めたから
急遽フロアーにも出される羽目になった。
「ねぇねぇ、僕今日もフロアーしていい?」
「全然OK!」
「やった~」
バカだ。
「俺フロアー回ってきたらどうしようとか、
すげぇ考えてたんすよ、先輩がいてマジうれしっす」
お前にフロアーは回ってこねぇよ。
「悪いな、お前ばっかやらせて」
「いいよ~僕フロアの方が好きだし」
その「僕」もかなりギリギリだな。
20歳すぎてそれが素なら、かなり微妙な線だろ。
ま、フロアーめんどくさいし助かるから良いけど。
変なぴらぴらが付いた小さいエプロンしなくていいのは何より。
「そんじゃオープン準備しようぜ」
暫くしてあと数人来る。
極々普通の飲食店にありがちなシフト勤務だ。
こういう所だと噂もかなりチープだ。
辞めた女の相手はだれだとか、
相手が確定していても、それを拗れさせようとする。
そして、関係ない奴まで関係もたせて、
気が付くと巻き込まれている奴がいて。
噂と妄想の大安売り。
反吐が出る。
昼が過ぎて夜が来て、あっという間に終わる。
「おつかれっした」
「おつかれさん」
バスの時間が迫っているときだけ走る奴。
自転車の俺らはコンビニによって帰る。
いつものことだ。
「今日はお客さん少なかったよ」
「みたいだな、厨房もかなり暇だったよ」
「あ、あのさ、お前昨日マネージャーに呼び出されてたじゃん?」
「うん?あ、仕事の事、フロアーの事とかさ」
「そうなんだ」
「うん」
嘘だな。
ま、別に相談してくれとか思ってるわけじゃないし。
そこまで仲いいわけでもない。
「お前さ、フロアー本当は嫌なんじゃない?」
「え?嫌じゃないよ~なんで?」
「なんとなく」
「全然嫌じゃないし、厨房よりフロアーのほうがマジ好きだし」
「ならいいけど」
「あのね」
「うん」
の後の間が長い。
それ以前にこいつの「あのね」とか「だよ~」とか「僕さぁ~」とか
そう言うのが正直キツイ。
オバサンウケはいいらしいけど。
「木野君ってさ」
君付けが更にうざい。
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