『ペギーの宝物』 1
クーの名前はクッキー、グーの名前はグッディー。
ペギーのお友達です。
クーはカスタードクリーム色の男の子のテディベア、グーはチョコレート色の女の子のテディベア。
ペギーの誕生日におじいちゃんがプレゼントしてくれたクマのぬいぐるみです。
小さいペギーにはとても大きなぬいぐるみです。
並んでみるとまるで三つ子のように大きいぬいぐるみです。
「違うの、クーとグーは私の妹と弟よ。双子なのよ」
「あらあら、お友達じゃなかったの?」
「お友達だけど妹と弟なのよ!」
「うふふふ、かわいい妹と弟ね。
それじゃ『ペギーお姉ちゃん』双子ちゃんたちをよろしくね」
「そうよ、私はおねぇちゃんなんだからちゃんとついてきなさい!」
ペギーはそう言うとクーとグーと手を繋いで遊びに行きます。
だけれど、クーとグーすぐに手から離れてしまいます。
「悪い子ね、手を繋いでいなくちゃ迷子になっちゃうでしょ」
しっかり繋いでもすぐにポロンと外れてコロンと転がってしまいます。
「あらあら、クーのお腹が汚れちゃってるわね、転んじゃったのかしら?」
「そうなのよ、クーは男の子だからすぐに走っちゃうの」
「まぁ、おねぇちゃんも大変ね。あら、グーもちょこっと汚れちゃってるわね」
「そうなのよ、おてんばなのよ」
「あらあら」
大きなぬいぐるみを両手に走るものですから、ペギーも何度もコロンとこけちゃいます。
「そうだ、ペギー。あなたたちにお揃いの前掛けをつくってあげるわね」
「私はいらないわ、私はおねぇちゃんですもの」
「そうだったわね、それじゃクーとグーには前掛けを、ペギーにはワンピースを作ってあげるわね」
ペギーのママはそう言うと、色違いのお揃い前掛けとワンピースに見立てたスモックを作ります。
小さいペギーにとって前掛けは「あかちゃんのもの」に思えてしかたがなかったのです。
ママはちゃんと知ってます。だからスモックだけれどワンピースなのです。
ペギーは眠るとき、二匹を両側に一匹ずつ置いて並んで眠ります。
だけれど、朝起きると二匹はいつもベッドの両側にコロンと転がっています。
「おはよう、ペギー、今日もいいお天気よ」
「おはよう、ママ」
「あらあら、クーとグーが床で寝てるわ」
「そうなのよ、クーとグーはとっても寝相が悪いのよ」
「あらあら」
そうして二匹をを引っ張りあげるとぽんぽんと二回、はたいてこういうのです。
「さ、あなたたちもママにおはようを言うのよ」
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