『ペギーの宝物』 2
今日は良いお天気です。
ペギーは二匹を連れて家のすぐ近くの小さな森に遊びに行くことにしました。
本当はお隣の家のお庭の背の高いガーデニング。
大きな木も植わっていてマギーにとっては森。
「今日は森に行くわよ。ここをくぐって行くと森よ」
ペギーはお隣の家のバラの垣根の下に出来たトンネルをくぐります。
「この道はあぶないのよ。気をつけて通りなさい」
ペギーは小さなトンネルを小さくなって通ります。
そして、二匹を引っ張ってトンネルを通します。
「さぁついたわ。どう大きな木、すごいでしょ」
お隣にはペギーのおじいちゃんが住んでいます。
「この森を通り抜けるとおじいちゃんの家につくのよ。
でも今日はいかないわ」
庭の中の小さな森探検をはじめます。
「おかしいわね、この辺にはもっと花がたくさん咲いていたはずなのに」
おじいちゃんと一緒に来たときも、前に一人で探検したときも、もっともっとたくさんの花が咲いていました。
でも今日はぽつんぽつんと咲いているだけ。
葉っぱは長く高く、ところどころ黄色くなっています。
それもそのはず、夏も過ぎてそろそろ秋。
二匹をつれて走ります。
二匹がころんところがります。
ペギーもころんところびます。
起き上がってぽんぽんはたきます。
二匹の鼻の頭についた土も落としてあげます。
はずれた片方の靴のホックを止めなおします。
「あ、何か落ちてる!」
ペギーは足元に小さなどんぐりを見つけました。
小さなベレー帽をかぶったような少し緑色のどんぐりです。
スカートのすそできゅっきゅっと拭くとピカピカに光ります。
「みて、ぴかぴかよ!ママにペンダントにしてもらいましょう!」
そういってポケットにしまいました。
「クーとグーのも探してあげるわ」
ペギーはクーとーグーを大きなプランターの前に並べて座らせると、さっき実どんぐりを見つけた辺りを探します。
「ないわね・・・」
もっとまわりも探します。
「う~ん、もうないわ・・・」
ペギーは残念そうに言います。
まだどんぐりが落ちるには少し早い秋の始め、木に止まった小鳥がつついて青いどんぐりを落としたみたいです。
「一つしかないわ・・・二人にあげたいけど・・・」
手のひらにのせたどんぐりを見つめていいます。
「どちらかにあげたら喧嘩になるから私がもっておくわ」
ぎゅっと手をとじるとポケットにさっとしまいます。
「これはきっととってもいい物なのよ。だから私が大切に持っておくわ」
ぽんぽんとどんぐりを入れたポケットをたたくとクーとグーの手をひきます。
森の出口のバラの垣根につくとペギーはトンネルをくぐるためにしゃがみました。
その時です、どんぐりがまた一つ落ちてました。
これも帽子をかぶった少し緑のどんぐりです。
ペギーはそれを拾うと二匹をひっぱってトンネルをくぐらせます。
「もう一つ見つけたわ!」
二匹に見せるように言うとスカートのすそできゅっと拭きます。
そしてポケットの中のどんぐりを出して二つ手のひらにのせます。
「二つになったわ」
ちょっと困ったように言いました。
「二つしかないわ・・・」
ペギーは二匹を見て、どんぐりを見て、また二匹を見て、と交互に何度も見ます。
暫くして自分のポケットにどんぐりをしまうと家に戻りました。
「あら、ペギーおかえりなさい、今日はどこにお散歩?」
「探検したの!」
「まぁ、それはすごい」
ママはペギーの汚れたスカートのすそと頭についたお隣のハーブですぐにわかります。
「ペギー、クーとグーがどろんこよ」
「今日は森の探検だったから大変だったのよ」
「このままじゃ一緒に眠れないわね、お風呂に入れてあげるわね」
ママはそういうとペギーからクーとグーを預かりました。
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