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お話を書いています。 まだ整理整頓できてないですが、少しずつ更新していきますので宜しければお立ち寄りください。 日記や雑記も混じってます。
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2009-10-20 (Tue)

『ペギーの宝物』 3

今日の夜は二匹はいません。
ペギーはお昼に拾ったどんぐりをパジャマのポケットにいれました。
そうしてベッドにもぐるとぽんぽん、ぽんぽん、とポケットの上からどんぐりをたたきます。

「二つしかないわ・・・」

夜中の事です。なんだか声が聞こえてきます。

「いいな、いいなぁ、どんぐりいいなぁ」
「だめよクー、クーはなんでもほしがるんだから」
「だって、あのどんぐりは僕が先に見つけたんだもん」
「私だって気づいてたわ、でも二人ともころんじゃってわかんなくなったでしょ」
「グーはほしくないの?」
「私はほしくないわ、おねえちゃんだもの」

ベッドの横から聞こえてきます。

「僕の方がグーよりおにいちゃんだい」

ペギーはそっとベッドの端っこから覗きみました。

「欲しがりんぼのクーはまだ赤ちゃんよ」
「欲しいくせに!うそつきのグーの方が赤ちゃんだ!」
「じゃぁ今度私が拾ったらクーにあげるわ」
「本当?ほんとにくれる?」
「私はお姉ちゃんだからクーにあげるわ」

「私の方がお姉ちゃんよ!だから二人にあげるわ!」

「本当!」
「本当!」

ペギーは口を押さえて小さく「あっ」と言いました。

「本当よ。私はあなたたちのお姉ちゃんだもの・・・」

そう言ってポケットに手を入れました。

「あれ、どんぐりがない・・・」

寝る前にちゃんと入れたはずのどんぐりがありません。

「ペギー、どんぐりちょうだい!早くちょうだい!」
「クーとお揃いのどんぐりをちょうだい!」

二匹は手を揃えて前に出して待っています。

「どんぐりがなくなったの、ちゃんと入れたのにないの」

ペギーはベッドの中にもぐるとごそごそ探し始めました。

「僕も探すよ」
「私も探すわ」

二匹もごそごそ探し始めます。

「ないわ。こんなに探したのにどこにもないわ」

ペギーは悲しくなってきました。

「ほしかったのに、どんぐり」
「仕方ないわよ、なくなっちゃったんだもの」
「グーは悲しくないの?」
「私はお姉ちゃんだもの、がまんするわ」

「明日もう一度探しに行くわ。ちゃんと見つけて二人にあげる」

ペギーはもうちょっとで出てきそうな涙をぐっと我慢していいました。

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